インプラント治療の特徴
- 天然の歯に美しい仕上がり
- 天然の歯に近いかみ心地
- 顎の骨や歯肉(歯茎)がやせにくい
天然の歯と変わらない見た目と機能(かむ力)を回復することができますのでストレスなく食事ができます。特に審美性(見た目)において優れています。
顎の骨に埋め込んだインプラントに白いセラミック歯をとりつけますので、インプラント治療することで気付かれないほど自然な見た目に仕上がり、口元を若々しく保つこともできます。
どのような流れで治療が行われるのか?
- カウンセリング
- 検査・契約
- 1次手術(インプラント埋入手術)
- 抜糸・仮歯調整
- 2次手術(アバットメント取付)
- 型取り
- 完成
カウンセリング
インプラントは手術をともなう治療のため、「どの歯科医院で治療を受けるのか」がとても大切です。歯科医院によって治療のスタンスや方針、設備等が異なりますので、じっくりと話を聞いた上で自分に合った歯科医院を選ぶことをおすすめします。
検査・契約
カウンセリングを受けて治療を希望する医院が決まったら、まずは検査をします。検査の内容は歯科検査、嚙み合わせ確認、CT撮影による骨密度や量などをもとに治療が可能なのかを調べて、検査結果に基づいて、詳しい治療計画をご説明します。患者さまが納得されてから、治療スタートとなります。
1次手術(インプラント埋入手術)
インプラント埋入手術を受ける前に虫歯や歯周病にかかっていると、手術の際や治療後にインプラントへの細菌感染の危険があるので、すぐにインプラント治療ができません。そのため、治療を始める前に虫歯や歯周病の治療を行います。また、骨量が不足している方には骨造成手術を行ないます。
検査を受け問題がない場合は治療計画が出来上がったら、インプラントの埋入手術を行います。精密検査の結果をもとに、正確な位置にインプラント体を埋め込み、しっかり固定されるのを待つことになります。なお、基本的なインプラントの埋入術は日帰りのため、入院する必要はありません。
抜糸・仮歯調整
インプラントの埋入手術終了後、2週間程度で、傷口を塞ぐために使用した糸を抜糸します。仮歯が終わった後、必要に応じて仮歯の調整を行ない、インプラント体が結合するまでの期間中(待機期間)の生活に支障がないようにします。
2次手術(アバットメント取付)
インプラント体と顎の骨が定着する頃合いを見計らって歯茎を再度切開し、双方がきちんと一体化しているかどうか確認します。定着していることが確認できたら、インプラント体の先端部分にアバットメントという部品を定着させます。
アバットメントにはさまざまな長さや角度のものがあり、患者様に適切な物を選びます。処置後は切開した歯茎の形が整うまで、1〜2週間程度様子を見ます。2次手術も入院する必要はありません。
型取り
患者さんの口の状態や嚙み合わせに合った人工歯を作るため、型取りを行います。形や色など、周りの歯に馴染むように人工歯を作ります。
完成
人工歯の装着をして治癒終了後は2カ月に一度の定期検診を行い、口腔内のクリーニング、インプラントの異常がないかをチェックしてもらいます。
インプラントを長く使い続けるために、治癒終了後も定期的な検診は欠かせません。
インプラント治療の成功率はどのくらいなのか?
インプラント治療における失敗とは器具がしっかりと定着されずに抜けてしまう、数カ月でインプラントが機能しなくなる等が挙げられます。多くの場合、やり直しが可能ですが事前検査や術後のメンテナンスを怠らずにしっかりと治療を続けることが大切です。それらを踏まえて、実際にインプラント治療の成功率はどれくらいなのか見ていきましょう。
治療を行う部位や患者さんの年齢によって成功率は左右されますが、現在インプラント治療を行なった際の成功率は90%以上とされています。おおよそ、全顎は90%、上顎は90%、下顎は90%となっています。インプラント治療では治癒後も問題なく歯を回復させるには、治療前の施術や治療後のメンテナンスが重要になってきます。インプラント治療の成功率は高いですが、治療前には歯周病や虫歯などを事前に治し、患者さんの健康状態を万全にして手術を迎えましょう。
インプラント治療で拒絶反応が起こるケースがあるのか?
インプラント治療で拒絶反応が起こるケース
インプラント治療で拒絶反応が起こるケースはあります。
インプラントに対するアレルギー反応と麻酔で体内に異物を入れる処置のため、まれに免疫が過剰に働いてしまう拒絶反応が起きる場合があります。
インプラントに対するアレルギー反応は、金属アレルギーによる接触性皮膚炎の形で発生しますので、顔面の湿疹、口唇炎、口内炎、口腔扁平苔癬などの症状が出やすいので気をつけましょう。
麻酔による拒絶反応を起こすのは、以前に麻酔でトラブルが起きなかった場合は、拒絶反応を起こす可能性は低いので、インプラント治療のリスクを最小限に抑えるには、適切な手術後、術後管理が必要です。
拒絶反応の原因
- 身体がインプラントを異物
- 自己免疫疾患を抱えている
- 免疫抑制剤などの薬物療法を受けている
- 手術前後の細菌への感染
拒絶反応の原因は、金属製の人工歯根を顎骨に埋め込む治療で、移植された臓器や骨髄が、患者さんの免疫によって異物と認識され、攻撃されることが原因です。
自己免疫疾患を抱えている患者さん、免疫抑制剤などの薬物療法を受けている患者さんには、移植後早期発見に発生し、急激に進行する「急性拒絶反応」と安定期に発生する「慢性拒絶反応」などの種類の拒絶反応があります。
インプラントの手術後に細菌が傷口に侵入することで発生しますので治療計画を立てる際には、患者さんの免疫状態を慎重に考慮する必要があります。
拒絶反応が起こった場合どのような症状が出るのか?
拒絶反応には、急性拒絶反応と慢性拒絶反応の2種類があります。
急性拒絶反応は移植直後に発生することが多く、約30%の発生率ですが、90%以上は治療で治ります。
慢性拒絶反応は移植直後3カ月以降に起こり、月単位から年単位のゆっくりとした速さで腎臓機能が悪化します。
拒絶反応が起こるとインプラントは抜けるのか?
インプラントは約90%に抜けることはありません。
インプラントが抜けた場合は、かみ合わせの不具合や歯ぎしりなどのブラキシズムが原因であることが多いので、インプラントに負担をかけないようにするなどの対策が重要です。
拒絶反応が起こりにくい素材はあるのか?
インプラントの素材として、チタンやジルコニアは拒絶反応が起こりにくいです。
チタンは金属の一種ですが、生体適合性が高く、金属アレルギーが起きにくいとされています。
ジルコニアは骨と結合しやすく、拒絶反応も起こりにくい素材です。金属アレルギーのリスクが低く、半永久的に保つことができます。
ただし、チタンはまれに人によってはアレルギーを起こすことがあるのでパッチテストや血液による検査を受けておいた方がいいでしょう。
拒絶反応で歯茎が腫れた場合の対処法
拒絶反応が起こった場合どのような処置が行われるのか?
拒絶反応が起こった場合は、インプラントで周囲炎という歯周病に似た炎症性の疾患を発症することがあるのでインプラントを除去する処置が行われます。
アレルギーの症状は全身や顔面に湿疹、口唇炎、口内炎、口腔扁平苔癬など免疫反応の抗原となっている物質を除去することで解消します。
インプラント治療は、やり直すことができますが金属アレルギー検査により抗原を特定し、インプラント周囲の不具合が拒絶反応によるものと判明した場合はインプラントを除去します。
歯茎が腫れた場合の対処方法
腫れは、術後2〜3日程度で徐々に治っていき、1週間程度で治ります。
治らない原因としては、次のようなものがあります。
- 腫れが引かない
- 熱や倦怠感がある
- 手術部位からの膿の排出がある
- 歯茎から膿が出ている
インプラント治療後に強く腫れてしまった場合、細菌感染やインプラントの結合がうまくいっていない可能性がありますので、腫れや痛みが強すぎて我慢できない場合は市販の痛み止めを飲むのは問題ないですが出来るだけ、歯科医師へ連絡して診断を受けるとことをおすすめします。
インプラント治療が失敗する原因
インプラント治療が失敗する原因としては、次のようなものがあります。
- 手術前の診査や診断が不十分
- インプラントを埋め込む角度が不適切
- 骨がドリルで火傷をしてしまう「オーバーヒート」
歯周病治療が不十分だと、インプラントが細菌に感染しやすくなります。歯磨きと歯科医院でのメンテナンスがあります。どちらも不十分だと、感染リスクを高めます。インプラントの治療室は徹底した衛生管理が必要ですが、歯科医院によって違いがあります。衛生管理を徹底している歯科医院を選びましょう。
インプラントを埋め込む位置や深さなどが適切でなければ、うまく骨と結合しない可能性があります。インプラントが顎の骨を貫通して、結合が得られないという失敗も実際に起こっています。
顎の骨に穴を開ける際、骨のかたさなどを考慮する必要があります。しかし、適切にドリリングを行わなければ骨にダメージを与えてしまうため、うまくインプラントが結合しなくなります。
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